『FORUM』とは、もともとラテン語で『会議場』、『集う場所』などを意味します。 皆様の憩いの場として、「温故知新」をテーマに、洗練された中にも古き良き時代を感じることのできる落ち着いた空間となっております。 こだわりのカクテルはじめ、厳選された数百種のハードリカー、また料理やチーズ、ワインまで多数取り揃えております。
かつてバーという酒場の魅力を熟知していた老練な男たちは、次の時代を担う若者たちを連れ、無言のうちにバーという場の空気、 そして酒のたしなみ方を教えていました。粋な振る舞いを学び、酒席での愉しみ方を上下関係の中で伝承されていたのでしょうが、 今ではそのような機会も少なくなっているように見受けられます。
それが良いとか悪いとかいう討論は専門家に委ねるとして、いずれにせよそのような環境で修行させていただいた店主が、 豊橋という土地柄に受け入れられるように試行錯誤しながら営業しているのが「フォーラム」です。
オーセンティックバー(Authentic Bar)。それは純然たる大人の為の止まり木・・・。
西洋で生まれ、日本で育まれた日本独自の文化。オーセンティック(authentic)とは、「頼りになる、信頼の置ける、信憑性のある、真の、正式な、本物の」という意味をもちます。
1860年、日本初の洋式ホテル「ヨコハマホテル」のバーが日本のバー発祥とされていますが、これは外国人バーテンダーによる外国人のためのバーの要素が強く、現在の町場のバーの原点は、明治43 年、「カフェ・プランタン」に始まると云われてます。
西洋風の内装に、舶来の洋酒・茶・軽食。非日常でありながら上品かつ優雅な空間。そこに身を置き、一時を過ごすハイカラな店。語るは時勢か、芸術か。ここから「洋酒を粋に嗜む店」として特化、あるいは独立し、発展してきたのが「BAR」です。
時代は流れ「○○○・BAR」と呼ばれるような形態が増え、顧客のニーズも多種多様化している現在ですので、その○○○ということに対して、本格的なバーの姿を守っているバーがオーセンティックバー(Authentic Bar)と呼ばれるようになりました。よくBARには暗黙のルールがあると言われますが、それも飲めればよかろうの酒場には無く、「BAR」だからこその楽しみを満喫したいならば当然のこととして受け入れられ、おのずとその雰囲気も定まり、ともすれば「酒場」として足を運ぶ店舗と言うよりは、違いの分かる大人が集う「社交場」として発展してき たわけなのです。
私達の職業は、ただ店番をする(Bar)に止まらず、優しさや気遣い(Tender)、そしてクオリティ-高いカクテル等を一緒に提供するかたちへと進化しています。前述の通り、これら総合的なサービスを駆使してお客様とお付き合いできるのが、バーテンダー(Bar- Tender)という職業であります。
その考えを前提に感動や喜びを共有できたとき、全ての努力が報われる瞬間です。
しかし今、もしかするとBARそのものが過渡期に立たされているのかもしれません。そして私たちオーセンティックバーを営むバーテンダーは、あたかも進化をかたくなに拒む古代魚のような存在に見えなくもありません…。それでもそれは否定的な意味合いのものではなく、オーセンティックバーだからこその有り様だと信じてやまないのです。先輩から教示いただいたものの伝達、そして私のささやかな経験を豊橋の皆様へ少しでも共感戴けたらとの願い、そして新たなる出会いを求めご挨拶と代えさせていただきます。
どうぞ「フォーラム」にてゆったりとした時間、そして洋酒ヒストリーをお楽しみください。
Bar&Restaurant FORUM
オーナーバーテンダー
志満津 蔵 -Osamu Shimazu-
(NBA) 社団法人日本バーテンダー協会 加盟
スコッチ文化研究所 会員
(JSA)社団法人日本ソムリエ協会認定ソムリエ